2013/01/06

サイパンに向けた入出国審査

サイパンは「北マリアナ諸島連邦」に属しているのは知っていたが、それはそういう名前の1つの連邦国があるのかと思っていた。連邦となっているのは、サイパン島を初めとするほかの小さい島(ロタ島など)を含んで1つの国家らしきものを形成しているからなんだと勝手に思っていた。実は、随分昔にグアム滞在でロタ島に日帰りパックツアーに参加したときに、ロタ島は「北マリアナ諸島連邦」という国に属しているから、グアムのときにパスポートコントロールを受けたのとは別にパスポートにハンコを押してもらった記憶があったからだ。だから、今回の旅行も、グアム経由で行くにしても、一度グアムがあるアメリカ入国手続きをした上で、そこでトランジットし、そしてサイパン向けにアメリカを脱出するという面倒くさいことをしなければいけないのかと「勝手に」思っていた。

ところが、途中にアメリカ領土のグアムを通らなければならないから、面倒くさいことにESTAの申請を渡航前にしなければならないのかなーと思っていた。9.11以降、アメリカ領土に入国する人たちを事前にチェックするための制度として導入されたものだから、こんなものを入れる国なんか絶対行きたくないと思っていたので、これまでアメリカには近寄らないようにしていたのだが、今回はグアムでどうしても通らないといけない。ウェブを調べてみると、グアム経由でどこかに行く人も全員、一度グアムで入国審査を受けたあとにトランジットをしなければいけないなんていうことを書いていたから、ますますイヤになってしまった。しかし、もっと調べてみると、2009年から「グアム-北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラムというのがあって、45日以内のグアム・サイパンを渡航する人は、事前にESTA申請をしなくてもいいという制度ができたことを知る。

ESTA申請を事前にしなくてもいいということが分かっただけ、渡航前の面倒くささは減ったかなとは思ったのだが、実際にもっと吃驚したことは飛行機に乗った後からのことである。グアム行きの飛行機にのったときに、機内で、グアム到着時に提出するべきアメリカ入国時の申請用紙が配られた。これはアメリカを経由・滞在するに関わらず、全員が提出しなければいけないものである。だから、このなかで「どこに滞在するのか?」という問いに対して、自分はこのときグアムというアメリカの地を経由して、北マリアナ連邦国に行くものだと思っていたので、その欄を「TRANSIT」と記載した。

結論から言うと、北マリアナ連邦もグアムもどちらもアメリカの信託地になっており、グアムは準州の扱いだが、北マリアナ諸島連邦はコモンウェルスの位置づけとして、アメリカの領土ということになっていることと知る。そして、2009年から北マリアナ諸島連邦の入出国管理はアメリカ合衆国が直接管轄することになったため、グアムに到着時に提出する書類はサイパンでも共通的に使われる「アメリカ入国のための申請書」と同じ扱いなのである。だから、先に書いたブルーの申請書の項目には「TRANSIT」と書くのではなく、サイパンで宿泊するホテル名をかかねばならなかった。これに気づいたのは、グアムの入国審査のときに「どこにいくのだ?」と係員に聞かれたので「サイパン!」と答えたら、「Which Hotel?」と聞かれて、そのホテル名を答えたら、その欄には修正されて登録されたからである。サイパンはアメリカだったのです。

実際に入国審査のときまでサイパンがアメリカの土地の一部になっているということに気づかなかった自分は一体旅をする資格があるのだろうか?だいたい、今回、サイパンは初めてだというのに、最初からサイパン島の中を探索するつもりが全く無かったので、サイパンに関するガイドを一冊も買わなかったのが原因だったかもしれない。ホテルから一切出るつもりが無かったからである。

それと、グアムもそうだが、サイパンに到着する際に、どちらもアンケートみたいな用紙を入島する前に書かせられる。自分たちの場合はグアム入島時にこのアンケート用紙は「君たちには全く役に立たない」と言われて破棄された。なにが書かれているかというと、どういう目的で来たのか、どこから来たのか?という観光者の傾向をデータ化するために使われているんだろうと思われる。サイパン到着時の時には、模様は違うが、同じような質問項目が書かれている用紙を貰い、それに記入し、空港ターミナルから出てくるときに係員に手渡した。

それにしても、噂で聞いてたが、グアム到着時の入国審査の長蛇の列は酷すぎる。自分たちのようにトランジットしなければいけないような渡航者の場合、結構時間がかかるので、間に合うのか?とかなり焦る。ところが今回、グアムにくる飛行機の出発が遅れたために、到着も当然かなり遅れた。余裕のトランジット時間があるものかとおもっていたが、全くなくなってしまい、そのうえ、入国審査場のところで、歩き回っている係員が名前を呼んで叫んでいた。なにごとか?とおもったら、「君たちはサイパンに行くんだろう?じゃ、時間が無いからこっちに来なさい」といわれて、言われるがままにその人に付いていった。長蛇の列を一気にすっ飛ばし、一番先頭までワープしてしまった。長蛇の列のなかで長時間待たされることはなくなったのは嬉しい。
しかし、そのあとの手続きも面倒くさかった。

グアムでのトランジットの場合、入国審査を受けたあと、そのまま左側のほうに立っている、即席机を作っている係員のところにいって、トランジットのボーディングパスとパスポートを渡す。そうすると、秘密の扉みたいなところを開けてくれて、そのまま真っ直ぐ行けと教えられる。これが、どうやらボーディングパスを持っているトランジットの人たちが通る扉のようで、トランジットのあとの航空券を持っていない場合は、チェックインカウンターのほうに通されることになるようだ。

秘密の通路を通ったあとには、今度はグアムを出るための手続きがとられるのだが、それは単純に荷物検査の前に適切なボーディングパスを持っているのかというのを確認するためのものだった。そのあとの荷物検査は、手荷物検査のほかに金属探知機のゲートを潜るのだが、アムステルダムのスキポール空港にもあったとおり、全身をスキャンするゲートがあり、そこを通らないといけない。面倒くさいには、このゲートを通るときに、全員靴を脱いではだしにならないといけないということだ。靴にもなにか隠しているかもしれないという疑いを全員に持っているというアメリカ政府の考えなのだろう。だから、マヌケなのだが、ゲートを潜ったあと、靴を取りに行くとき、手荷物検査と同じベルトを通ってきたところまで裸足でトボトボと歩かないといけないところだ。

そういえば、帰国したあとに不思議なことがある。サイパンからグアム経由で成田に帰るルートだったのに、出国審査は実はサイパンで行われたことだ。てっきりグアムで行われるのかとおもい、サイパンからグアム間は同一国内移動の扱いかと思っていたのだが、それは違っていたことだ。だから、サイパンで出国審査を受けたため、グアム到着時にはとくになにも無く搭乗し帰国したというものである。これは早朝にサイパンを出発することになったからなのかどうかは分からない。

いずれにしろ、今回の渡航において、入出国審査の面ではいろいろ驚いたことばかりだった。驚いたことといっても、個人的に勘違いしていたことばっかりだったということもあるのだが、改めてアメリカ領土内に行くのは面倒くさいことばっかりだから、もう二度と行かないなというのは思った。

ESTAの申請
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html

グアム-北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラム
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-gcwvp.html

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