2012/12/01

アイヌ語地名で旅する北海道

金田一京助のアイヌ研究に関する発表集については、以前、本のレビューとして記載したのだが、これも参考にしつつ読んでいて楽しいと思われるのが、元埼玉県の職員で引退を機にアイヌ語を独学で勉強をしてまとめたという著者が書いた「アイヌ語地名で旅する北海道」というものである。

金田一京助の本は、アイヌ全般についての記録論文なのだが、この本はアイヌ語、それも土地とアイヌ語の関係だけにフォーカスを当てたものであり、今でも日本の地図を広げれば知りえることが出来る情報を一般的に解説してくれているものである。北海道の地名はほとんどアイヌ語からの引用で出来ているので、いまは漢字+日本語読み化されてしまっている、町の名前、川の名前、山の名前、岬の名前などなど、あらゆる北海道の地名に付いての言語学的な解説がこの本を読めば分かる。

確かに北海道の地名というのは、漢字で書かれていたものをそのまま読んでも読めないことが多く、北海道の人はこれらの地名はごく当たり前のように知っているものなのか?というのが毎回気になって仕方がない。たぶん北海道の人にとってはありふれた名前だったりするのに、本土の人間にとっては有名なところ以外は全くわからないというのが仕方ないが、それもやっぱりアイヌ語が影響しているので、大和言葉ではない言葉をもともと知らないのであれば、それがどういう意味でそういわれているのかという根本的なところから知るのもそうだが、まず読み方が分からないと、そこの場所にも行けない。これは台湾を旅行したときに、日本でも通用する漢字を使っているのに、読み方が全く分からないから、筆記で会話をしてしまっているのとなんとなく似ている。

筆者は地名を1語1語分解して、その土地がどうしてそういう名前になったのかということも踏まえて地名解説をしている。だから、北海道に行かなくてもこの本を読めば、北海道全域の土地について知りえることができるというものだ。ただ、この本を読む前には、金田一京助の本を読んで、土地の名前によく使われる単語集を知った上で本書を読んだほうが良い。なにしろ、単語の意味は書いているが、似たような意味を持つ違う読み方の単語について整理をしていないからであり、読み進むにつれて「あれ?この単語の意味、他にも出てきたよね?」というのが結構あちこちで出てくる。その単語の違いについては金田一京助の本のほうに詳しく記載されている。

北海道の地名には漢字表記されているものは多いが、漢字表記じゃなくカタカナ表記になっているものも結構ある。漢字はもとよりカタカナ表記は、アイヌ語の名前を無理やり文字化しているために、本当のアイヌ語とはちょっと違う言い方になるのだが、もうアイヌ語を自由に操れる人が少なくなってきている現在では、文字化してしまったアイヌ語のほうが実アイヌ語なのではないかと思われるようになっている現在が悲しいところではある。しかし、アイヌ語というのが消滅の危機を迎えているとはいえ、土地の名前としてアイヌ語がまだ生き残っているというのは嬉しいことだ。漢字表記化しているのは、カタカナ表記化したものをさらに変化させて無理やり漢字にしたものなので、原語がなんなのかを追求するのは結構困難な状態になっているところもある。それでも筆者は調査と学術的検知から1つ1つ積み重ねて明確化しているところが素晴らしい。

地名を知れば、そこがどういう土地なのかがわかるとはよく言ったものだ。北海道の地名は、すべて土地の名前に、その土地がどういう特長があるところなのかというのを明確化しているものだ。平成の大合併等で市町村単位で合併があったりするために、それを期に地名が変わったりすると、もう土地の特長がその時点で切れてしまう。北海道の土地がどの程度統廃合によって本来のと地名を失っているのかはよくわからないが、筆者のような人が忘れられる土地の名前を収集し、それを整理してくれているというのはとても喜ばしいことである。

アイヌ語地名で旅する北海道
著者:北道 邦彦
新書: 259ページ
出版社: 朝日新聞社
発売日: 2008/3/13

愛と欲望の中国四〇〇〇年史

日本ではAVがたくさん売られているので、日本人は変態だという話を、特に中国系のひとたちから聞くのだが、同じ人間なのだから、変態の世界、性の世界というのはどこの世界でも似たように欲望はあるし、それをどう実現するかは文化の問題であって、なんらかの表現があるものだと思っていた。日本のAVが流行っているのは、世界的に見てロリ系が受けているだけであり、ゲイの世界だと、ゲイビデオの多さは群を抜いて多いのはわかりやすい。海外から見ると、日本の25歳から35歳くらいのAVモデルは全然モテる要素がなく、それにひっかかるのは同じアジア系の視聴者だけであるというのはわかる。演技をしているモデルの実年齢は30歳くらいだとしても、見た目が20歳くらいとして演出しているほうがやっぱり海外ではウケている。と、これまでは日本でのエロの表現だけのことは分かりやすいほどに資料が豊富に揃っているが、そういえば、中国のエロって今も昔もどうなっているんだろうというのを良く知らない。一方的に中国系のひとたちに日本人全体が変態扱いされているのも納得いかないので、なんらかの情報はないのか?と探していたところに良い教材があった。

中国生まれの在日韓国人3世の著者が書いた「愛と欲望の中国四〇〇〇年史」という本は、自分が中国でのエロ系の潜在的な欲望やその表現方法や思想についてどうなっているんだろうと考えていたことのほとんどすべてが掲載されていて、すごい本だと思ったものである。ここに書かれている内容を知っていれば、中国、台湾、シンガポールのような地域に行ったときに、エロ系の話題で日本人がバカにされるような言いっぷりを主張されたときには、反論するための材料が豊富に揃っているので、是非参考にしたい本だ。

中国史は異民族との戦闘と内紛しかないものかと思っていたのだが、その内紛の原因には結構性欲による闘争によって、政治や国がめちゃくちゃになるということも多かったことを知る。三国志や大航海時代や国共内戦なんていうのが持て囃されているよりも、実は裏で行われている性欲による政治混乱のほうがよっぽど実は中国史のなかで重要なんじゃないのかというようなことが分かってきた。俗に「女によって国が滅ぶ」というのは、よく言われたことなのだが、中国史はまさしくこれに当たる。その例を著者はたくさん示しているために、もう納得することばかりだ。

漢字が好きなひとにとっては、その漢字がどうして作られたかということに興味が出ることだろう。「色」は後背位のポーズから、「吊」という字は、男のチンコをそのまま象形文字化したというのも面白い。

それよりも実際にエロに対してどう接してきたかということが一番興味があるところだ。有名なところだと、女性の纏足だが、これは纏足のエロチシズムへ探求というのがすごい。纏足なんて見るだけのものかと思っていたのだが、そうではなく、纏足を使って遊ぶという「玩蓮」には、聴覚的に1種類、視覚的に4種類、嗅覚的に1種類、触覚的には46種類もの遊び方があるらしい。触覚的なもののなかには、口を使うものが6種類、手を使うものが28種類、足を使うものが4種類、肩を使うものが3種類、体を使うものが4種類とあり、それぞれの玩蓮の遊び方として名前がついているのが面白い。詳しくは本書の中に記載しているので、この纏足をつかっての遊び方に対する変態的行為の具体的な内容はそこで確認してほしいのだが、これだけ読んだだけでも、変態趣味もここまで来ると滑稽に感じる。

それから一夫多妻制が実は中国でも普通のことであり、妾制度は中国ではごく当たり前のことで、これは現代でも実は繋がっている話である。そして、驚いたことに、寝室というものは日本だと密室になっているのが普通と考えるところなのだが、中世までの中国では、特に仕切りを設けることはなく、誰もがその様子を垣間見ることができるくらいの開放的な性生活だったようである。ほとんど露出趣味というのと同じだ。それを横から見ている他人というのも、結構中国の絵画にも出てくるくらいのものだというのはおもしろい。

また、今でも中国では行われていることが人肉が精力剤になると考えているということ。三国志でも水滸伝でも西遊記でも、普通に話の中に人を食うという場面は出てくるし、中国の正史にも人肉を重用したという記録はたくさん出てくるので、人肉を食べていたということは普通のことだった。そして現代でも、たまに話題になるが、稚児の肉が若返りになるという理由でブラックマーケットで売られているとか、あとは生まれてすぐの子供の最初の尿が健康に良いと言われて高値で取引されているというのもニュースになるのだが、これもすべて人肉にまつわる風習が太古から中国には存在していることの伝統でしかない。なかなか人肉を食するというエピソードをいろいろ本書では説明しているのだが、これがすごいおもしろいから一読をお勧めしたい。

中国人がよく日本のアダルトビデオを観て、日本人はビデオに出てくるようなセックスを全員がしていると本当に信じていたりしてびっくりするのだが、それはTVドラマ「あぶない刑事」を見て、刑事はしょっちゅうピストルでバンバン撃っているんだというのを本当に思っているのとほとんど同じであり、おもしろい思想だなと何度も思ったことがある。あくまでもビデオの世界はフィクションであり、エンターテイメントであるのだが、なぜか身近に思えるような人が画面でやっていることは「本当の事」と信じてしまう幼稚な頭の中国人にどうやったら「あれはウソの世界だから」と説明するのが苦労することかと毎回思う。ところが、中国文化だって負けてないくらいポルノに対しては歴史的にたくさん作品を残している。有名なところでいえば「金瓶梅」や「肉蒲団」があるが、それだけじゃなく、もっと卑猥な小説は中国にはたくさん存在している。特に明の時代の作品は、ボーイズラブや官能小説なんかよりもエロだらけで、これが映像化していないだけというだけのものが多い。「如意君伝」「痴婆子伝」「繍榻野史」などなど、数え切れない作品が存在する。そして、ほとんどがベッドの上での場面を描写したところばっかりだというから、ほとんど文章によるエロとしか思えない。

そして極めつけは、なんといっても「房中術」だろう。皇帝から一般庶民まで中国人は多かれ少なかれ、「辟穀」「服飾」「導引」「房中」という4つの流派をたくみに利用して長寿を目指している。その中でも「房中」というのが、セックスをうまくコントロールすることで精力を補充し、長寿仙人になれるというもの。簡単に言うと「1日に10人の女とセックスをしても、絶対に射精をしないこと」というのが核心の部分である。男が陽気を抜かれることは禁物であり、射精は男の生気を失うことという考えを持っている。それが「還精補脳説」という考えに繋がってくるのだが、このばかげた幻想が実は中国人には秘術だと思われていたようである。

それと同時に、男女の性器を評する「五好五不好」という基準があったのが面白い。女性の場合は「緊」「暖」「香」「乾」「浅」なのだが、これは字を見ただけで分かりやすい。男性の場合は「大」「硬」「堅」「渾」「久」である。このなかで「渾」は長居ということ、「硬」と「堅」の違いは、「硬」は文字通り硬いということ、「堅」は丈夫だということ。しかし、男性の場合は一物だけではなく、「潘」「驢」「鄧」「小」「閑」というのも必要だという。「潘」は美男子という意味、「驢」は性器がロバみたいに巨大じゃないといけないという意味、「鄧」は金があること、「小」は細心に繊細にウカツに行動するよりも前後を良く推し量って行動するということ、「閑」は時間的に余裕があるということである。これは現代でも同じことが言えるのではないのだろうか?

そして毛沢東の自体には性風俗自体が低俗なものとしてタブー視されてしまった。この時代に生まれてきた人、そしてその時代に教育を受けたひとを親に持つ人は、エロ系のことを話題にすると、「それは低俗のことだ」と拒否反応を起こす。実際に自分たちはセックスをしているのに、変に曲がった情報しか耳に入ってこないように仕向けてしまったため、性に対して当然のことと先端的に接している日本のアダルトビデオの世界をみて「これは日本人はこういうことをしているんだろう」と単刀直入に思ってしまっている結果を生んでいる。すべてはまともに性教育を受けていないために出てきた弊害なのだが、これは南京大虐殺に関する間違った事実がいかにも正史だと教えてきた中国の政府の考え方を本気で信じ込んできてしまっている中国人が多いことと同じなのである。

だから、この本を読んで、中国人から「日本人って変態だよねー」といわれたら、すかさず、「お前らだって、マンコやケツに挿れているんだから、同じだ」と返答しておけばいいし、もっと理論的に対決するんであれば、この本に記載されている実例を全部あげて、相手をグウの音も出ないようにすれば良いだけである。良書だとおもう。

愛と欲望の中国四〇〇〇年史
著者:金 文学文庫: 288ページ
出版社: 祥伝社 (2010/2/5)
文庫: 288ページ
発売日: 2010/2/5



2012/11/25

調布市花火大会(2012年)

花火観覧というのは、やっぱり夏の風物詩の1つであろう。浴衣を着て、扇子か内輪をもって夕涼みを兼ねて花火大会のために河原に行くというのは、これは日本人である以上、DNAに染み付いた楽しみの1つだと思う。海外でも花火大会があるが、海外で見る花火大会は単なるエンターテイメントでしか思えず、まったく風流がない。なんでだろう?それでも夏に見ると、まだ花火を見ているという気分になれる。

しかし、今年の調布市の花火大会はなんと10月20日(土)に開催された。多摩川沿いで行われる花火大会の中では最大の規模の花火大会であるので、もう20年くらい毎年観にいっているような気がしたのだが、こんなクソ寒い時期に花火大会を開催するなんて、風流も減った暮れもなく、単に毎年観にいっているのを今年で途切れさせてはいけないというだけのために行かねばならないというのも、なんとなく義務感で観ている気がしてならないと思った。これまでも、調布市の花火大会は、何度も開催が危ぶまれていて、今年はもうやらないだろうと思っていたのだが、それでも何とかして開催してくれた関係者のひとに毎年拍手したいくらいである。時には、花火大会が終わったあとに場内アナウンスで「寄付してくださいー」と思いっきり叫ばれているときもあったくらいだからだ。いずれにしろ、日本の花火大会は、見晴らしが良いところだと、無料で誰でも見られるという意味では素晴らしいイベントだと思われる。

調布市の花火大会は、東京都内の中では実は有名な花火大会の1つであった。それは調布市の花火大会は、多摩川という広い敷地内で行われるイベントだからということもあるのだが、「尺玉100連発」という名物コーナーがあるからである。1尺玉がドーン、ドーンと大空の中で破裂するたびに、お腹にすごい響くのが快感だ。花火は目で見るのではなく、音で聞くものだというのが自論である。だから、尺玉が上がったからといって、遠くから見るのは全然花火をみるのに値しないものだと考える。尺玉であれば、破裂したときの花の大きさが大きく見えるのは当然だが、音がそれに伴っていないのであれば、全然尺玉を楽しめない。そんな尺玉100連発が今年の調布市花火大会から消えていたのはショックだった。

その代わり、連続打ち上げの花火がたくさん怒涛のようにあがっていたことは面白かった。ただ、それは面白かったというだけであって、今年も調布の花火大会を見たという満足感があったというわけじゃない。単なる花火大会を観にいったというだけの感想でしかないのである。なにしろ、10月の花火大会を河原で見るというのは、クソ寒くて仕方ない。今年はずっと暑かったというときでも、夜になったら涼しくなるのは当然だ。だから、この寒いところでジッとして観ているというのは拷問でしかないと思ったのである。

おまけに会場で観られる場所が極端に狭くなっていた。多摩川の河川敷のうち、布田会場のほうの多くは有料席で埋められていたために、無料で敷物を持参してみるためには、かなーり離れたところで観るしかなかったのが残念だ。だいぶ前は、打ち上げ場がすぐ傍にあるようなところで観れて、それも寝転がって、真上に向くようにして観るというのが、多摩川の河川敷でみる醍醐味だったのだが、今年は目線が真上ではなく斜め前という程度でしか見られないというつまらなさ。これが一層調布の花火大会を面白くなくしているものだった。これは、調布市の予算がないために、有料席で席を買ってもらって、その費用を花火大会の打ち上げ費用に充てる為に仕方なく採られた処置である。それはすごく理解できるのだが、これまでの調布花火大会を観て来ている側からすると、残念で仕方ないのである。じゃ、金を払って観ろ!といわれると、えー・・・まぁ・・そのぉ・・・と後ろ向きな意見になってしまうから、わがままな客であることは重々分かっている。
そして、10月ごろになると、もう17時半になれば空は真っ暗になる。花火シーズンの8月ごろだと、19時ごろになってもまだ薄暗い程度であって、花火を上げる時間帯じゃないという独特の雰囲気を楽しめるのだが、17時半には真っ暗になってしまい、コートを着て花火を見るなんていうのはもう拷問でしかない。

さて、来年の調布市花火大会は一体いつ開催されるのだろうか?はたまた、開催は実行されるのだろうか?来年の6月ごろにはアナウンスされるだろうから、それを待つことにしよう。

調布市花火大会公式ホームページ
URL : http://hanabi.csa.gr.jp/index.html

サイパンへ修行の旅に付き合わされる

10月に自分がシンガポール航空のクリスフライヤーとしてゴールドメンバーになったことを受けて、友達に話をしたら、そういえば、マイル数としては、年間の獲得既定マイル数を今年はゲットしているけど、今のままだったらゴールドにならないというようなことを言っていた。友達はユナイテッド航空のマイレージプラスの会員。どうやら今年からマイレージプラスでゴールドになるためには、年間最低でもユナイテッド航空もしくはユナイテッド航空の子会社の航空会社に4便乗らないといけないというものらしい。

だいたい、アメリカなんか行くこともないし、アジア各地にユナイテッドで行くということは、日本出発がとても遅く、現地早い時間に出発しなければならないということになるので、使い勝手が非常に悪いから全く使うことが個人的には無いものだ。とは言っても、友達も同じように旅行をしているのだが、全然ユナイテッド航空に乗らないので、このままではゴールド会員になれないという状態は本人としても悔しいことだったのだろう。そこでなんだか無理やり、ユナイテッド航空で行けて、それも短期間に4便を使えるところ、つまり、乗換えをして行きだけで2便使えるところというのをやろうということに急に決まった。言い換えれば、緊急的修行の旅である。ただユナイテッド航空に乗るためだけのものである。

ユナイテッド航空でいけるところは、アメリカ、ソウル、北京、シンガポール、香港、バンコクであるのは分かっていたが、このなかで行っても良いなとおもうのはシンガポールだけ。だけど、シンガポールから先にユナイテッド航空が飛んでいるかというとそれはない。さらに言うと、シンガポールまで片道約7時間もある。これはちょっと遠い。かといって、かつては台北路線もあったのだが、いまは台北線がないので、これも利用できない。といって、ソウルなんか行く気がゼロだし、香港は友達が中国だからイヤだといって選択の余地がないし、困っていた。

しかし忘れていたことがある。ユナイテッド航空は、最近、コンチネンタル航空と合併したのである。コンチネンタル航空と合併したことで、ミクロネシア路線もユナイテッド航空の名前で飛んでいるわけだ。したがって、グアムを中心とした路線で考えてみることにした。

グアムまでは直行便が飛んでいることは知っている。しかし、単純にグアムに往復をしただけでは4便に乗ることはない。よって、グアムを経路地としてそこからさらにいける場所というのがどこかなーというので探してみた。結構グアムから小さい島へユナイテッド航空名で飛んでいる路線があることを知る。しかし、どこもかしこも乗り継ぎがあまりよくなくて、結局現地滞在が1泊だけということになるのでは、何しに行ったのか全然分からないことになる。せっかくこんな寒い時期に南国ウキウキ系にいくんだったら、数日は宿泊したいところじゃないかー。

やっぱりいろいろ路線を調べてみると、グアムから一番近くて、そこそこ大きな島であるサイパンに行くのが良いだろうという結果に落ち着く。同じアメリカ系の航空会社であるデルタ航空だと、旧ノースウェスト航空がサイパン行きの直行便を就航していて、それをいまのデルタ航空が継承しているので、直行便を利用すれば簡単なんだろうとおもうが、ユナイテッドはない。だから、グアムで乗換えをする行きかたで行くことにした。

行く時期は、マイル加算対象期間ギリギリの12月のクリスマス時期である。この時期は毎年台北に行くことにしていたので、なんだかクリスマス時期に南国に行くって言うのは少し気分が変な感じがした。

とにかく、これで友達は来年からゴールド会員になることができるのだろう。自分にとっては単なるスターアライアンスの航空会社に乗ったということで、マイルが加算されるということになる。本来ならシンガポール航空に乗れば、自分にはもっとメリットがでるとおもうのだが、ユナイテッド航空に乗ってもなんのメリットはない。

Fusion Dining F (小田原)

小田原駅直結のデパートの中に箱根の富士屋ホテル直営のレストランがあることを知った。名前は「Fusion Dining F」というところ。みんながご飯を食べる時間帯になったら、きっと混んじゃうだろうと思ったので、お店には18時には到着できるようにいくようにしてみたが、それは正解だった。駅の改札口を出て、そのままデパートに行こうかなーという顔をしていたら、この店はあり、小田原の地元では結構知られているところのようだった。
店内は一言でいうとスタイリッシュな洋風レストランになっており、小田原だから海に近いので和食系というわけでは全然ない。むしろ、ちょっと敷居が高そうに思えるレストランなのだが、決してそんなところではなく、かといって、ファミレスみたいにおきらく極楽なところのようなものではない。誰でもそんな堅苦しい格好をしなくても入ることがレストランというのをコンセプトにしているところのようだ。
客層は、さすがにデカいバックを持った学校やサークル帰りの若者というのが揃っているというようなところではない。かといって、金持っているぞーといわんばかりの風貌をしている年配の人ばかりが来るようなところでもなさそうだ。しかし、都心や横浜まで行ってシャレたレストランに行くにはちょっと遠いから、じゃ、地元で少しシャレてみたいというようなところとして利用されているみたいだ。しかし、この時の周りにいる客層を見ていると、なんだか疲れきった中年夫婦が多かったのが気になる。また、隣りのテーブルに座っていた中年夫婦の旦那のほうが、行儀が悪いというか、育ちが悪いというか、品がないというか見苦しい態度をしでかす人でいて、嫁になっている人はこんな人のどこが良いんだろう?と他人のおせっかいながらも気になった。

今回頼んだのはプレフィックスタイプのコースで、メインコースが二品ついているコースメニュにしてみた。値段は1人あたり3600円。普通に飲み会をするような値段で食べられるというもの。そして、運ばれてきたメニュは以下の通りである。友達と2人で行ったこともあるのだが、①と②はそれぞれどちらが何を頼んだかを表している。

 ・前菜:  ①鴨肉の盛り合わせ
       ②鮭のマリネ
 ・メイン: ①鴨肉の焼き物、デミグラスハンバーグ
       ②鶏肉の焼き物、特製ビーフシチュー
 ・デザート:①アップルパイ
       ②モンブラン
 ・飲み物: ①コーヒー
       ②コニャック
まずは前菜だが、鴨肉の盛り合わせのタイプと鮭のマリネだ。鴨肉のほうはすべて素材が鴨肉ではあるが、ベーコン風にしたり、ロースト風にしたりと、いろいろなタイプで鴨肉を楽しんじゃおうというものだった。確かに鴨肉という素材を色々な形で食べるというのはなかなかないので面白い趣向だなーとおもった。鮭のマリネは想像どおりのものであるため特にコメントはないのだが、鴨肉も鮭もどちらも激ウマ。これはメインの料理に期待ができるではないか。
 
メイン1人目のほうは、鴨肉の焼き物とデミグラスハンバーグ。鴨肉のほうは赤ワインベースのソースに、ローストされた鴨肉なのだが、この少量にしか見えない量が実はちょうど良い量だというのがあとで分かる。鴨肉は大量に食べると、味はいいんだが、実は厭きてくる。牛肉みたいに臭みがあるわけじゃなく、甘みがあるから量はジャンジャン行くところだが、結構お腹が張ってくるのが不思議だ。口直しに野菜の浅漬けを添えているが、これが1枚ずつの鴨肉と交互に食べることで、いつでも口の中がリセットできる感じがして嬉しい。もちろん鴨肉自体は、臭みがないためにすごい美味しい。2つ目のメインはデミグラスハンバーグであるが、これはソースの味がすごい濃い。また、ハンバーグ自体が丁度良い堅さとうまみだったのが驚いた。もうこんなの食べたら、きっと石井のお弁当君シリーズは当然ながら、ハングリータイガーのようなハンバーグ屋のハンバーグは食べられないなとおもった。
 
メイン2人目のほうは、鶏肉の焼き物と特製ビーフシチュー。鶏肉の焼き物は、少し大きめの鶏肉の一口サイズくらいの大きさの肉を上手に焼いたものであるが、決して串焼きになっているタイプではない。から揚げとは違う鶏肉本来の味を、少しの塩味で楽しむというものだった。もう1つのメインであるビーフシチュはソースタップリのなかに柔らかい牛肉が含まれているというのではなく、柔らかく煮たビーフがやっぱりメインで、シチュのソースが上から掛かっているというのだった。なんだか考えていたビーフシチュとは異なった提供の仕方に戸惑ったのだが、味は完璧にビーフシチュ。
 
デザートはアップルパイとモンブランにしてみたが、どちらも富士屋ホテルで提供しているデザートと同じものを提供しているらしい。だから、手作りであることはもちろんだが、味は確かだったし、もっと食べたいと思ったほどである。
一番吃驚したのは、最後の飲み物。ここでは紅茶かコーヒーだけというのであれば、それは一般的なのだが、このほかにデザートワインやコニャックを最後の飲み物としても選択が出来る。友達は飲兵衛なのでコニャックを頼んだのだが、てっきりグラスに少し注がれたコニャックが出てくるのかと思ったら、テーブルまでコニャックの瓶を運んできて、そこで注ぎ、そのままコニャックの瓶をテーブルに置きっ放しにした。最初はそのうち瓶を片付けに来るだろうと思っていたのだが、飲み物を飲み干したくらいの時間が経過した後でもぜんぜん瓶を戻そうとする気配がない。それじゃ、置いているんだったら勝手に飲ませてもらいますと言わんばかりに、とりあえず全部飲み干してしまった。コニャック1瓶の値段はどの程度かよくわかんないが、友達は完璧に酔っ払って、帰りの電車の中は最寄り駅まで大爆睡したらしい。
Fusion Dining F
URL : http://www.fujiyahotel.co.jp/chain/fdining/
住所 : 小田原市栄町1-1-9 小田原ラスカ 2F
電話 : 0465-21-2880
営業時間 : LUNCH TIME  11:00~15:00
           TEA TIME    15:00~17:00
           DINNER TIME 17:00~22:00

紅葉を見るために箱根に行ってきた

紅葉の季節だったので、どこかに出かけて、紅葉気分に浸りたいなとおもった。しかし、どこの場所も紅葉を見るためにやってきている観光客が多いため、きっと芋洗い状態なんだろうなというのは想像していたが、やっぱりその通りだった。

今回出かけたのは箱根。箱根の紅葉なんか混んでいるから行きたくないという友達の訴えを無視して、強引に連れて行った。週末の行楽地はただでさえ混んでいるのは知っているのだが、その上に紅葉なんていうイベントが重なってしまったら、普段の出勤時の満員電車みたいな状態なんじゃないのかと言われた。その通りだとは思うのだが、それでも何にもしないでぽかーんとしているよりは、紅葉というイベントをちょっとは楽しむのもいいじゃないのかとおもったので出かけることにした。

箱根の紅葉の見所といわれてもよくわからなかったので、ちょっと調べてみると、小湧園傍にある蓬莱園というところと、箱根湖畔にある箱根神社が良いと分かったので、そこにいくことにしようと思った。

小田原で集合にしてそこから箱根方向にまずは電車に乗って移動する。小田原から乗るときには当然箱根湯本までは箱根登山鉄道を使うことになるのだが、箱根一円を今日は移動することになるので、「箱根旧街道1日パス」を使うことにした。他にもパスはいろいろあるので、事前には調べたほうが良いだろう。箱根旧街道1日パスは、箱根登山電車の箱根湯本~小湧谷までの区間は乗り放題、そして小湧谷から箱根町までの路線バスも乗り放題、それから箱根町から旧国道1号線を通って小田原までの区間のバスも乗り放題。これで1700円なのだが、実はこれ、結構すぐに元が取れる。だから、1回ずつお金を払わないほうが便利だ。

箱根湯本まではすんなり行くことができたのだが、ここから先が酷かった。箱根登山鉄道は本来なら小田急と接続している小田原方面からの電車とプラットフォームを挟んで隣のホームから出発することができるのだが、この日は、あまりにもたくさんの人たちが箱根登山鉄道に乗って強羅方面に行こうとしているため、そのまますんなり登山鉄道に乗ることができず、一度駅をぐるっと廻って、列を作らせるような迂回を作っていた。こんなに混んでいるのかという驚きと、この列はどのくらい続いていて、登山鉄道に乗るまでどのくらいの時間がかかるんだろうという思いを考えてみると、だんだん箱根の心臓部に行くのが面倒くさくなってきた。

約30分間、列に並んだ末に、箱根登山鉄道に乗り込むことが出来たし、さらに座ることができたのだが、これがドア付近に座ってしまったために、ドア近くに立っている人たちが非常に邪魔で、もっと奥の席に座ればよかったと後悔する。特にドア付近の手すりに寄りかかっている人がめちゃくちゃ不安定な立ち方をしているために、電車が揺れるたびに座っているこちらにぶつかって来るから、殴ってやろうかと思った。

登山鉄道で小湧谷まで行く間の景色はなかなか素晴らしい。車窓からはだんだん山の中に入っていく道中の様子が見られるのだが、そこをよく登山鉄道が走っているなーと本当に感心する。人が少ない電車の状態だったら楽しいだろうが、これだけ人が大混雑している状態の登山鉄道で強羅方面に行こうとしている場合には、よくもまぁこれだけの人が上っても、ちゃんと上るものだと不思議だ。車輪が空回りをしたり、上らないで下がってしまうということもないからすごい。そして、路線沿いにたまに見える真っ赤な紅葉の状態になっている樹木が観られるのも素晴らしい。
 
 
さて、小湧谷に到着したら、駅から表通りに面したところにあるバス停までは歩いて、そこから1つ先のバス停「二の平入口」まで乗った。この道中も歩いても良いとおもったが、見た目以上に距離はあるし、上りだし、道はうねっているし、歩道があるわけでもないので、バスで移動する。そして、こちらは移動パスがあるから、バスに自由に乗れるわけだから、バス代をケチるなんていうセコいことをしなくてもいいわけだ。しかし、このバスも激混みだったのには驚いた。みんなどこまで乗るんだろう?
 
バス停「二の平入口」に到着したら、バス停の目の前にある蕎麦屋「金春(こんぱる)」に行ってみた。店内はオシャレな感じの蕎麦屋だったので、もっと小汚い店を想像したから、いきなり店内に入ってみて吃驚した。既にお客さんが何人かいたのだが、すべて待ち状態。別に急いでいるわけじゃないので、店のおっさんの気分(?)次第で出てくるんだろうから、気長に待つことにした。
 
ここで注文をしたのが温かいそばの「鴨南ばん」。友達のほうは「天ぷらそば」を注文。どちらも同じくらいの時間がかかって登場なのだが、どちらの蕎麦も値段が1600円とは、さすがに箱根価格だ。昔の人がこの値段を見たら、きっと卒倒することだろう。確かに美味いのだが、値段ほどの価値があるのかというと、そうでもない。ただ、鴨肉に臭みがないのが、比較的新しい肉を使っているんだろうなということは分かった。他にこのあたりで食べるところがなかったらまた入るだろうが、何度も来てみたいというような場所ではないな。ただし、風光明媚なところなので、お茶をするためだけって言うのだったら良いかもしれない。
 
またバスに乗って次に向かったのが蓬莱園。蓬莱園は、実は、1883年(明治16)創業の三河屋旅館が所有する6万6000平方mの庭園なのだが、そこに宿泊している観光客だけが拝観が許される庭園ではなく、誰でもが無料で見ることができる庭園である。そして、箱根の尾根に沿って庭園が作られているので、庭園全体に高低さがあるため、鬱蒼としているように見える木々が紅葉化しているので、空が多彩なカラーリングで埋め尽くされているように見える。また、蓬莱園は秋は紅葉、春はつつじが満開になるところなので、いつここに来ても花に囲まれているというのが分かる。
 
 
 
 
 

しばらく蓬莱園の紅葉を堪能した後は、またバスに乗って元箱根に移動。そこから徒歩で箱根神社まで行ってみる。箱根神社は、なぜかパワースポットなんていうのが溜まっているところと持ち上げられているので、最近また不幸な女の人たちが、我先に幸せを掴み取ろうとやってきているようなところだった。神社の境内に入る前から気分は神社内にいる感覚を思いだせるような背の高い木で囲まれた、段々の階段を坂道を上がっていく。そのあとは目の前に100段近くある階段を上って本殿がある境内に到着するわけだ。
 
 
実は箱根神社もなかなか棄てがたい紅葉のスポットだというのは行ってみて分かった。赤・黄色・緑が綺麗に混ざっているために、1色だけしかないような紅葉とは違うので、いつまでもボーっと見ていられる楽しさがある。
 
 
 
 
最後は、箱根町まで行き、そこから旧道を通って、甘酒茶屋までバスで行く。てっきりこんな茶屋なんか行く人なんか誰もいないだろうと思っていたのだが、これが大間違いだった。今日は紅葉を見に来ている人たちがわんさか来ているひとだったことを忘れていた。それに甘酒茶屋は、映画や歴史ドラマなんかにでてくるような茶屋なので、雰囲気がとても良い。この古めかしい茶屋にいこうとするような観光客がたくさんいることを忘れていたのである。そもそも、旧道を通っていく人自体が少ないと思っていたのだが、みんなあの登山鉄道の激混みがキライだというのがわかったので、遠回りでもバスでのんびり帰って行こうと思っていた人が多いことを忘れていたわけだ。
甘酒茶屋は大混雑も良いところで、所狭しと観光客が席を取って座っている。それに店内はとくにエアコンがあるわけじゃなく、ストーブでしか暖を採る方法がないため、全体的に店内は寒い。コートを着たままお茶やお菓子を食べるという、もう拷問に近いようなことをしなければいけないという状態には耐えられなかった。しかし、それでもここではとりあえず定番のものを頼んでみることにした。ウグイス餅と甘酒。普通のお茶はフリーで飲むことができるので適当に飲めば良いのだが、店内が寒すぎるのでお茶があまり熱いと思えない。それに、客が入ってきたとしても、全然注文を取りに来ない。あまりにも客が多すぎるためか、客がセルフサービスのように窓口みたいなところに行って注文をしないといけない。もう、それが苦痛で仕方がない。もちろん、次のバスが到着するときに店を退出してしまった。
そのあとは小田原まで出て夕御飯。夕御飯のことは別のところで記載したいと思う。

それにしても、もう紅葉の時期に普段から混んでいるようなところに出かけるのは、絶対しないようにしようとおもった。どこに行っても混んでいるし、交通機関がすべて混んでいるのが、もう本当にイヤだ。行くんだったら、平日のときにお休みを取っていきたいところである。

箱根旧街道1日パス
URL : http://www.hakone-tozanbus.co.jp/ticket/1gou.html

手打ち蕎麦・金春(こんぱる)
URL : http://www.ninotaira.net/konparu.html
住所 : 箱根町小涌谷525
TEL : 0460-82-4732
定休日 : 水曜

甘酒茶屋
URL : http://www.amasake-chaya.jp/
住所:箱根町畑宿二子山395-1 
TEL:0460-83-6418
営業時間:7:00-17:30
定休日:無休