2010/08/31

旅名人ブックス - 台南

旅名人ブックスの各巻はカラー写真と適切な文章でいろいろ紹介されているため、普通のガイドブックでは手が届かないような内容を詳細に抑えるためには、いい参考書だと前から思った。ヨーロッパの各都市・各国の紹介が終わったなーと思っていたところ、いきなり台湾関係がまとめて5冊くらい旅名人ブックスから出版されたときには、さすがに驚いた。何をいまさら台湾を特集するのか?と。それだけネタに困っていたのかなという感じだった。

しかし、台湾特集をしてくれたおかげで、一般のガイドブックではなかなか台湾の台北以外の場所の詳細な紹介はないから、台北以外の場所に行く際にはとても便利な参考書になった。特に近々台南に行こうと思っていたのだが、古都・台南なのに、どうしても台北に関する本ばかりが世の中出版されていて、見所満載の台南のことがページ3ページで終わりというのが大抵だったので、そんなのじゃ何を見たら良いのか、そして、どれだけ重要なものなのかなんかわからないという感じだった。しかし、この旅名人ブックスでは、台南が台湾が発展する際の一番最初に大きくなった場所で、この場所をはずして台湾を語ってはいけないような趣旨をモットーとして、全体をオランダ來台から日本統治時代を経由して、現在台湾の世界をたくみに紹介しているので、その歴史的時間の流れを考慮すれば、台南がとても重要な街であることと、各所に存在する遺跡がどれだけ重要なものなのかというのが、頭の整理になってちょうどいい。特に、鄭成功との関係において、台南ははずせないところだ。

どこで泊まって、どこで食べれば良いのかというような、文化や歴史を全く必要としない脳みそゼロのような情報であるなら、それはたくさん出ている台湾関係書物を見れば良いだろう。またはネットに存在する旅行日記を見ればいいことだ。そこから行きたいとか、ピンときた店に行ってみて満足すればいい。それは別にわざわざ台湾に行く必要がない事項だと思う。やっぱり実際に現場に行って感じるべきことは、遺跡と文化を肌と眼で感じることだろうと思う。

情報が少ない台南のなかをもって歩くべき参考書としては、台南旅行をする際には絶対もって行こうとおもう。しかし、カラー写真を満載している書物であるので、本全体が重たい。ぺらぺらの紙だけで構成されている本とは違うので、仕方ないことだとは思う。

台南―台湾史のルーツを訪ねる (旅名人ブックス)
出版社: 日経BP企画
単行本: 257ページ
発売日: 2008/04/21

鐘楼(神保町)

神保町は以前職場があったところだったので、昼ごはんのときにはいろいろな場所に食べに歩いたものだが、今の職場では本当に食べるところが全くないので嫌になる。だから、久しぶりに神保町に来ると、こういう前に食べて美味かったとおもったところにまた来たくなるようなものだ。

神保町界隈ではたくさんの店があるのだが、その中でも好きだったところが、春日通りを神保町交差点から水道橋方面に歩いて、一本裏通りに入ろうとするところにある四川料理の店「鐘楼」がある。ここの名物料理は、麻辣刀削麺と麻婆豆腐だろう。いずれも四川料理の代表的な料理である。

最初にこの店にきたときに、刀削麺を食べてみて、「うわぁ、激辛!」と思ったのだが、数回通ったあとは、その辛さが美味さに変わってしまい、最終的には全く平気になってしまったくらいの美味さがある店だ。さらに刺激を求めるのであれば、この店で花山椒をもらうと良いだろう。「花山椒くださいー」と頼めば喜んで持ってきてくれる。これをちょっとだけ乗せると、ピリッとした辛さがまた刺激としてとてもいい感じだ。

ただ、刀削麺を食べるときに気をつけたいのが、一般的に食べるときにも起こる麺をたべるときの飛び跳ねだろう。麻辣刀削麺の場合は、そのスープがめちゃくちゃ辛さが増しているものなので、ちょっとでも服についたら、それを取るのが大変だ。なので、店にはちゃんと前掛けが用意されているので、食べるのがへたくそなひとは、ぜひ利用したいところである。

麻婆豆腐もここの辛さは半端じゃない。なにしろ、四川省出身の人が「これこそ本場の味だ」というくらい激辛の店なのである。いままで食べていた麻婆豆腐がいったいどれだけ日本人的にマイルドになっていたのかというのを考えさせられるものだった。しかし、昼ごろにこの麻婆豆腐を食べると、一緒についてくるご飯の量も多いので、ちょっと自分としては多すぎる。だから、たいていの場合は、刀削麺のほうを選んでいた。

店内は1階にテーブル席があり、奥にもたくさんのテーブルがあるから、結構な人数の人が昼時に訪れても全然平気である。ロフト状態になっている半二階みたいになっているところでも食べることができるが、どちらかというと、こちらのほうは飲み会に使ったほうが良いだろうと思う。飲み会に使ったとしても、ここでひとり3000円出せば、かなりたくさんの量が食べられるもので、絶対お勧めである。

店の名前になっている鐘楼は、中国の大きな都市に行くと必ず存在しているもので、その当時の時計を知らせるための鐘が置かれたタワーである。北京の鐘楼は有名だが、四川の鐘楼というと、それは古都長安の鐘楼のことを指す。長いこと各王朝の首都として君臨した長安、いまの西安は、見所がたくさんあるところだというのは有名だ。絶対に一度は行ってみたいところだと思う。店内にいる店員のほとんどは地元四川省出身の中国人だ。オーナーのひとはたぶん日本人だろうと思うが、ここ最近行ったところでは、その日本人のオーナーは居なかった。すべて四川省出身の人だからということもあるのだろうが、店に来る人は結構中国人が多い。神保町界隈にはたくさんの中華料理屋があるのだが、そのなかでも安くて美味い本場に近い料理が食べられるということになると、みんなここに来るんだろうと思う。が、神保町といえば学生街。どういう客がくるのかなーと様子を見ていると、どうやらやっぱり昼間は学生が多いようだ。傍にたくさんの大学があるし、そこに通っている中国人留学生なのだろうと思う。

本場の辛さを食べるのであれば、最近チェーン店として存在している「シーアン(西安)」よりは、絶対鐘楼に来たほうが良いと思う。

鐘楼(じょんろう)
〒101-0065 東京都千代田区西神田2-1-8
Phone : 03-3263-2288
営業時間:11:30~14:00(L.O.14:00)
     17:30~23:00(L.O.22:00)
URL : http://www.service-5.com/restaurant/jyonnrou.htm