2009/10/07

フンブオン廟(Ho Chi Minh City)

歴史博物館の真正面にあるのが、雄王祠堂(別名:フンブオン祠堂)というのがある。一体、フンブオンって何?と思われるのだが、確かにベトナム人じゃないと、こんなのはわからない。

フンブオンはベトナムでは伝説の王と言われており、別名が雄王、または龍神だと言われている王さまなのだ。伝説によると、紀元前2800年頃に、いまのベトナムと中国の南部を建国したベトナム最初の建国した王朝・ホン・バン王朝(漢字で書くと「鴻龐朝」)を作った人である。この王朝、中国の王朝が攻めて来る紀元前258年まで存在した王朝だそうだ。この王朝は全部で20代続いた王朝のようで、どの王様も最初のフンブオンに習って、フンブオンなんちゃらという名前になっている。日本の初期の天皇と同様、生きていた年齢が200歳まで生きていたなんていうふざけた人物で成り立っているところが、こういう初期王朝の歴史を作っていく点で、どこの国でも同じなんだなとわかる。

この王朝に関する詳しいことは、ベトナムに関して詳しい人にゆだねることとする。
さて、フンブオン祠堂の中に入ってみることにする。

建物としては、中国とベトナムを両方備えたような佇まいで、こんなところに参観する人はほとんど居ない。しかし静かな中にも、凛とした趣がある。天井が高いために誰かの家かなと思ってしまうような雰囲気でもある。
祭壇にはフンブオンを祀っているのだが、顔が良く見えない。というより、なにかの像があるというわけではない。こういうところはなんとなくイスラム文化に似ているような気がする。ちょっと気になったのは、このフンブオン祠堂の正面に「越南百姓先祖霊位」という説明書きが書かれていた。たぶん、伝説の王朝については、自分達の神様を象徴するために作られたもので、自分達は農民として存在するから、農民の神様ということにしたのかなと想像してしまう。歴史や伝説というのはとても面白い。

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