2008/05/24

シラクーサの猫(Siracusa)

シラクーサでも、パレルモと同じように、猫はたくさんあちこちで見かけた。どの猫も人間をあまり恐れないというのは、万国共通なのだろう。猫側からすると、邪魔しないで、こちらが遊んで欲しいときだけ構ってくれといった感じだろうか。

トラットリア・アルキメデ(Siracusa)

シラクーサの中にはレストランがたくさんあり、それを目当てにやってくる観光客もたくさん有る。その中でも有名なレストランらしく、客が常にたくさん入っている店が、「トラットリア・アルキメデ(Trattoria Archimede)」だ。オルティジア島の昔の様子を物語る白黒写真が壁全体に飾られている。食事が出来る場所は、全体で3箇所に別れており、メニュも常に変わっているので、毎回行っても異なる食事ができるので、リピータや現地の人も含めてお気に入りの場所になっている。パスタ、シーフード、肉を正攻法で了したものなど、トラットリアの典型的メニュが食べられるので、とてもリーズナブルだし、肩ひじ張らなくていい。

ここで食べたのは次のとおり。

・Spaghetti alle Vongole




・Lasagne di Pesce

・Misto di Pesce alla Griglia

・Involtini di Pesce Spada 値段も手ごろだし、味もどれも最高。最後にコーヒーまでここでは飲んでしまった。それだけなんだか長居したくなるようなところだった。

トラットリア・アルキメデ

Trattoria Archimede

Via Gemellaro8

0931-6-697-01

アポロ神殿(Siracusa)

雑貨や果物などが並ぶ賑やかな市場の手前にあるパンカーリ広場に面している緑の公園内に、なぜか時代にマッチしない遺跡が見えるが、これが「アポロ神殿(Tempio di Apollo)」だ。紀元前7世紀末、シチリアサイコのドーリス式神殿の遺構である。その後、ビザンチン教会やノルマン人の聖堂などに改築されたが、今では、その跡しか残っていない。

Cesare Battisti (Siracusa)

オルティジア島の東岸の海沿いの通りを歩いていると、誰も気にしない像を発見した。だれ、これ?と思いつつ、後ろに廻ってみると、共産党の星の意味なのか、それとも皇帝の印なのかよくわからないが、1919年に建てられた記念の石像がある。


裏面に廻ってみると、「Cesare Battisti」と書かれており、Wikipedia で調べてみると、同名の人が歴史上2人出てくる。1人は愛国主義として第1次世界大戦に従軍してなくなった英雄で、もう1人は共産主義の作家として現存もしている人。この石像の作られた時期から考えると、たぶん前者の人のことなのだろうが、その人が、なぜシラクーサと関係があるのか、よくわからない。生まれがシラクーサだったというわけでもなかったのにだ。このあたりのイタリアの歴史、またはイタリアの軍の歴史を知っている人は教えて欲しい。ちょっと興味がある。

アレトゥーザの泉(Siracusa)

地元の人たちでも待ち合わせ場所にも使われているのが、アレトゥーザの泉(Fonte Aretusa)。オルティジア島の先端に近いほうへ、大聖堂がある広場から下っていけばすぐの場所にある。古代都市の主要な水源だった時代と変わらず、いまでも昏々と水が湧き出している。伝説によると、美しい侍女アレトゥーザが川の神アルペイオスに言い寄られて困っているのを見た女神アルテミスが、彼女を泉に変えて守ったという。今では、カモやボラが住んで、パピルスが茂る泉は、夕涼みの時間帯になると、わんさかと人が集まってきて、ちょっとした社交の場になっている。泉のところには、銅像も伝説をモチーフにした銅像も立っている。

場所柄、目の前に海が広がり、海に面したレストラン群にも近いところでもあるので、人が集まりやすいのだろう。このあたりの海はとても綺麗なので、海を見ているだけでなんだか泳ぎたくなるのだが、ここでは泳ぐのは無理だ。



それにしても、エジプトの歴史のときくらいしか言葉としては聞いた事がないパピルスの、それも現実に生えているのを実際に見えるのは驚きだ。パピルスなんていうのは昔のもので、現在のものではないような感覚で思っていただけに、こういうものから紙を作ったのかというのが理解できる。



この泉からプリビテラ通りに入っていくと、すぐの場所に、パピルスを使った紙を売っている店がある。店の前には、パピルスからどのようにして紙を作るのかということを説明した解説文書がある。それもなぜか日本語で。シラクーサを訪れる日本人がどのくらい居るのか分からないのだが、その日本人が読む雑誌に載ったのを宣伝として店の前に張ってあるというのは、なんだか商売根性丸出しで、伝統の技を継承しているという店の雰囲気をぶち壊している気がした。

シチリアの旗


シチリアの旗は、そのデザインがあまりにも奇抜すぎるので、最初に見たときには「冗談でしょう?」と思うが、よくよく見ると、なんだか愉快になってくるので楽しい。3本の足が顔から生えているという形は、なんだろうとおもうが、あれは実はシチリア島の形から来ているものなのだそうだ。名前はなんと言うのだろう?

Conte di Cavour (Siracusa)

シラクーサに到着したときには、すっかり昼ご飯も過ぎたころだったので、まずは腹を満たすと同時に、町の中がどんな様子なのかを探索するために、荷物をホテルに置いたらすぐに出かけてみた。

狭い通りが入り組んでいる道であることは分かったが、意外に目印となるような建物を覚えておけば、ガイドブックがなくても歩けることが分かる。それほど地域としては小さいのである。そこで最初に入ったご飯屋というのが、ガイドにも載っていないのだが、最近出来たと思われるトラットリア「Taverna Conte di Cavour」だ。

中に入ると、オレンジのテーブルクロスと黒を基調としたテーブルのコントラストが映えて見える。時間的に昼ご飯を過ぎたところなので、店には誰もいなかった。 昼ご飯なので、別に馬鹿食いするつもりもなかったので、ここではパスタを注文する。定番ではあるが、ボンゴレとカジキマグロのスパゲッティを注文した。お腹がすいていたからなのかもしれないが、どちらもなかなか美味く感じた。量も丁度いい程度なのだが、あとから「ちょっと多かったかも」と思ったりした。飲み物を注文しなかったので、なんだか不機嫌な顔をしたようだったが、別にこういうところでは飲み物を強制的に注文する必要はないのである。
観光客が必ず通る場所に店構えをしているので、かなり客の入りはあるのだろうと思う。

Taverna Conte di Cavour
Via Cavour 67a

ホテル・ローマ(Siracusa)


シラクーサで予約したのは、オルディージア島の真ん中に位置し、メインのカテドラルに一番近いところのホテルである「ホテル・ローマ」にした。名前に使われているローマ通りに面しているところなので、本当に場所はわかりやすい。それにどこに行くにもとても便利な場所であることがわかる。


ホテルの内装は、最近改装をしたばかりのようで、結構綺麗だった。エレベータ設備がないので、重いトランクを持って歩くのは嫌だったが、それさえ我慢すれば何の問題もない。窓口にいたおばさんは、なかなか楽しそうなおばさんで、日本人の名前は聞いても全然覚えられないワーっと、嘆いていた。だから、パスポートを見て確認するまで、事前予約した客なのかどうか全然判断できないらしい。まぁ、そうだろうな。日本人の名前なんて、マイケルとかジョニーとかそんな名前じゃないので分かる憎いのは当然だろう。

部屋は全室オートロックになっているのはいいのだが、不満なことがあった。それはドアが開きにくいのである。カードキーで音が鳴ったらドアが開くのだが、音がなったあとにドアを押しても引いても、全く言うことが聞かないのである。さらに、電気もカードキーを使って付くことになるのだが、これがキーを上手く指さないと、電気が付かないというかなりの不安定ぶりだ。これは文句を言いたくなるものだった。更に言うと、どうやら外れの部屋だったらしく、テレビの電源類が全部壁のコンセントから外されていたことだろう。これがまた複雑な配線系統を使っていて、なかなか難しかったのだが、こちらも自分達の電化製品を使いたいこともあるので、なんとかうまくやりとげた。 部屋自体はとても広く、ベッドはそんなに大きいわけでもないが、清潔的な感じだった。湯船があるところではないシャワータイプだけだったのだが、必要な設備は揃っていたことだと思う。といっても、アメニティが揃っていたという意味ではない。アメニティは全く揃っていないので、これは用意をしておく必要がある。必要なら外で買えばいいのだが。

朝ご飯がついて130ユーロなのは、まぁまぁなのだろうと思う。朝ご飯のところは、夜になるとレストランになる場所であり、ここでの朝ご飯は、パレルモの朝ご飯とまぁ変わらない。パンの種類はとても多いのは一緒だが、おかずになるようなものがあまりないのである。ハムとスクランブルエッグくらいしかないのが嫌だった。あとはヨーグルトか美味しくもない果物で摂るしかないのは、なんとなくシチリアっぽくない。


ホテル・ローマ

Hotel Roma / Via Minerva 10

http://www.hotelroma.sr.it/

シラクーサへ(Palermo⇒Siracusa)

シチリア内を移動する際には、電車よりバスのほうが断然便利である。パレルモから南東の町であるシラクーサへ移動する際に、沿岸部を通って行く電車の場合、最低でも6時間以上かかるため、こんなのに時間を費やすのは馬鹿馬鹿しくて仕方ない。そんな時に便利なのがバスだ。シチリアの人たちも同じようにバスをよく利用する。

パレルモからは中央駅傍にバスターミナルがある。パレルモ市内を走るバスのターミナルは、本当に駅前にあるのだが、長距離バスは駅から200mくらい離れたところにある。事前に予約でもしないと無理なのかもと思い、実は事前に一度このターミナルにきて、予約を試みた。しかし、窓口にいたお姉さんは「そんなの要らない、要らない。当日乗る前に来なさい」と言われた。本当かよーっと思いつつ、当日バスターミナルに行ってみた。

バスのチケットは、本当にそっけないもので、「パレルモまで」と値段しか書いていない。何時のバスということも書いていないし、バスの番号みたいなのがあればそれが書いているのかと思ったら、そんなものもない。かなり不安になる。さらに言うと、チケットは買ったのはいいのだが、どのバスに乗ればいいのかが全く分からないのである。長距離バスはチケット売り場にたくさん停まっているのだが、どれが目的のバスなのか皆目検討も付かない。出発まで10分前だというのに、どれだか分からないとなると、知らない間にバスが出発されても困る。そこで、荷物を友達に渡して、片っ端から停まっているバスの行き先を確認して廻ってみた。いちおうバスの先頭に行き先が書いているので、それを見てシラクーサ行きのバスを探せばいいのだが、それもない。たぶん、同じようにシラクーサ行きのバスに乗ろうとしている人達が、切符売り場の傍に屯っていた。どの顔も、「バスはどれだよー」と思っていた。特に1人で旅をしている人たちほど、不安の顔をしていた。

バスの出発時間は11時。今の時間は、なんと10時55分。とうとう5分前になってしまったのだが、バスはどれだかわからない。そうしていると、客が移動し始めた。と、同時に、どこからかやってきたバスが道路の真ん中に停まる。決して歩道に近いところに停まらないところが、イタリアのいい加減さを見せ付けられた。そう、シラクーサ行きのバスが、たった今やってきたのである。バスは予約席でもなんでもないので、荷物を荷物置き場に置く必要がない人たちは、さっさと乗り込む。自分達はトランクがあるので、バスの荷物置き場に、自分で積み込む。最後に、バスの運転手が荷物置き場のドアを閉めて、出発だ。

運転席の後ろに乗り込んでシラクーサまでの3時間15分を楽しむ。

バスは最初はパレルモの市内を通ったあと、すぐに高速道路に入り、そのまましばらくは海岸線を通って行く。途中で、メッシーナ方面とカターニア方面に分かれる場所があり、そこからカターニア方面の道に行くと、それまでは、海も見えて町もあって、なかなか風景的には楽しかったのに、いきなり農村部ばかりで何もないところを通ることになった。これほど単調な世界が続くと、バスの中ではついうとうとしてしまう。

バスは途中1箇所でトイレ休憩が入る。そういえば、海外の高速道路のサービスエリアというのはどういうものか全然分からないので、こういう機会にサービスエリアの様子を探索にいくのもいいなとおもい、トイレにいきつつ、売店や設備について見てみた。日本のサービスエリアと同じように、軽食もできるし、コンビニみたいな設備もあるし、ガソリンを補給する必要があるひとは設備もあるし、もちろんトイレもある。設備の規模は日本ほどではないと思うが、それでも設備としてはほとんど同じである。違うのは、客がほとんどイタリア人であるということだけだろう。しかし、こういう場所でも小さいコーヒーカップでエスプレッソを提供してくれるとは、やっぱりイタリアらしい。

シラクーサに近くなってきたときに、バスがいきなりそのスピードを落としてきた。それはなぜかというと、渋滞が始まったからである。どうやらシラクーサ近くでは、メッシーナからの海沿いの道と、いま通ってきた山沿いの道が合流するところだってようで、それも片道1車線になっていたところなので、渋滞になるのは当然だろうと思った。それも、大きなタンクローリーとかがバンバン走っているので、抜こうにも抜けないという辛さがあるのは、ドライバーであるひとなら誰でも分かることだろう。さらに、シラクーサ市内に入ったときに、前にいきなりトラックが割り込んできて、そのトラックに向かって、バスのドライバーが文句を言っているのが始まった。バスのドライバーはどこの世界もあまり柄がよろしくないのか、プロフェッショナルの意識なのか、マナーの悪いドライバーを見るとどうやら怒らざるをえないらしい。イタリア語は分からないが、「ふざけんなよー、ボケ-」みたいなことを言っていたのだろうと想像できる。

ガイドを見ると、シラクーサのバスターミナルは、旧市街のオルティジア島の郵便局前にあると書いてあったのに、最終的にバスは「ここはどこ?」というような、たぶんシラクーサの駅の傍で停まった。最初は、「駅前にも停まるのかな」という程度で思っていたのだが、ドライバーも降りたので、ここが最終目的地なのかというのが分かった。困ったのが、ここからホテルに行く方法である。最初はオルティジア島に停まるとおもったので、予約していたホテルもその近くだったから、歩いていけると思ったのに、いまの場所もわからなければ、ホテルの方向も分からない。となると、もうここはタクシーを拾うしかないのだが、こう言うときに限って、流しのタクシーなんて居ないのだ。

当てずっぽうで歩いてみたところ、自分がどこを歩いているのか全然分からない。困ったなーと思っていたところに、空車のタクシーが偶然通りかかる。思わず手を挙げてタクシーを止める。タクシーのおっさんに、「ローマ・ホテルまで」というと、OKOK!とあっさり。近いのか遠いのかちっとも分からないが、値段交渉の結果10ユーロでいいとのこと。吹っかけられたのかそうじゃないのか分からないので、とりあえずそれで行って貰う。実際にタクシーに乗ってみると、ホテルまでの距離はかなりの距離だった。歩けないわけでもないのだが、トランクを持って歩くにはとてもじゃないが遠すぎる。たぶん2km以上は離れていたことだろう。オルティージア島に入ったときから、名所を説明し始めたのはありがたかった。どの道を通っているのかが分かったからである。

炎天下の湿度が超低いここで、タクシーを拾えなかったら大変だったところだった。無事目的地のホテルローマに到着できる。

パレルモからのバスはInterbus社を利用
http://www.interbus.it/

パレルモからシラクーサの時刻表は次のとおり