2008/03/29

五島軒(函館)

函館のレストランとして必ず行くべきところといえば、函館の人なら誰でも知っている「五島軒」だ。しかし、五島軒でご飯を食べるというと、どうやら「カレーを食べにいったのか?」と聞かれるのは何故だろう。それだけ、ここ五島軒はカレーであるというほど代表的なものになっているのだろうか。実際に注文したのはコースだったのだが、それにカレーはついていた。しかし、ここがカレー屋だという印象は全然無かった。カレー屋というと、神保町にたくさんある激戦カレー屋を想像するか、またはファーストフードのカレー屋を想像してしまったりする。雰囲気からして全然五島軒は違うから、実際に訪れてみても未だにここがカレー屋という印象は持てない。

さて、この五島軒はアンテナショップが函館にはかなり色々あるようだが、実際にレストランとして使えるところはここだけのようである。山手地区の良い場所に立っているのだ。場所はわかりにくいかなーと地図を持って歩いていたのだが、これだけ立派なレストランであれば建物もかなり立派であることは常識のようで、心配するまでも無かった。

一人でこの手のレストランに来るとなんとなく寂しい気がするが、店の中の雰囲気は浅草にある電気ブランとしても有名な神谷バーのレストランフロアのような感じだ。上品な洋食屋さんという言い方をしてもいいと思う。明治12年から営業しているだけの老舗を醸し出しているだけのことは有る。

ここでは単品料理も選ぶことができるのだが、せっかくなので、ここではコース料理を頼むことにした。持っていたガイドブックでは、オムライスが美味そうに写っていたのでそれにしたいな-と思ったのが、ここでオムライスだけというのは気が引けたので、思い切ってコースを選んだというのが正直なところ。

まずはボルシチ。ロシア風に少しサワークリームが載せられている所がアクセントだ。

グラタンと牛ヒレがミックスとボイル野菜の組み合わせもなかなか美味い。このグラタンも上品な味がしたところが人気なのだろう。

サラダはいたって普通なのでコメントしようがない

カレーはここの代表的な料理であるようで、甘すぎず、辛すぎず、まるでハヤシライスのような味がした。こんなカレーだったら何杯でも食べられるなと思った。それだけ五島軒のサテライトショップではカレーをお土産用として売られているんだと納得する。

この後はデザートとして、レモンのシャーベットが出てきたのだが写真を撮るのを忘れた。

そのあとは、五島軒でのお土産にもなっているボルボローネとコーヒーのセット。このボルボローネは、アーモンドが入ったクッキーとしては食べやすく上品な味がする。食べた後、絶対買いたいと思ったので、次の日函館駅あたりをうろついていたときに、五島軒の出店があって、そこでこのボルボローネを買った。パッケージと名前を知らなかったので、思わず店で「このくらいのクッキーみたいなやつなんですけど・・・」とあほの子のように喋ってしまったのが恥ずかしい。実際に3箱買って帰った。がさばらないし、函館土産としては最高のお土産だと思う。

五島軒
〒040-0053 北海道函館市末広町4-5
TEL:0138-23-1106 
FAX:0138-27-5110
<営業時間> 11:30am - 8:30pm (オーダーストップ)
<座席数> 20卓71席

函館の洋館

函館には横浜の山手と同じように「山手」と呼ばれる地区があり、そこにはたくさんの洋館がある。鎖国されていた日本が開国をしたときに、開港した港の1つが函館であるのは、小学生でも歴史で倣った事実なので誰でも知っていることだろう。本州の開港であればわからないでもないが、なんでこんな北国で開港なのかというのは小さいときから思っていたが、良く考えてみると、当時は列強の帝国としてロシアというのがあったわけで、そのために函館が開港されたのだ。そのために明治維新前から、函館は外国人が入り込んできた場所であるため、その際、彼らが住んだり領事館として使われる建物が今でもたくさん残っているのだ。山の手地区に洋館がたくさん残っているのは、防御のためということもあるが、自国の船が港に入ってくる様子を高台から見ることができるからだというメリットがあるからだ。しかし、実際に高台に建物が立っているということは、歩く人間からするととても不便この上ない。だいたい領事館などに通う人間は偉いひとばかりだから、人力車での通勤だったのだろうというのは想像できるが、坂道ばかりのところを、人力車で上がるといえっても、人力車のおっさんはかなりの体力が必要だったのだろうなというのは想像できる。

さて、その函館の洋館は先に述べた旧領事館は洋館であるのは当然だ。現存する旧領事館は、まずは、一番海に近いところに有る旧ロシア領事館だ。ここは中には入ることができないため、外からしか見ることができないのがとても残念だ。路面電車で終点「函館どっく前」で降りて、幸坂を登っていくと右手にある。

その他、中にも入ることができるし、その中にあるティールームでお茶が飲める場所が存在する旧英国領事館も良い。こちらは路面電車「末広町」駅から、少し広い基坂を上って行くといける。旧英国領事館でのお茶については別途記載したいと思う。旧英国領事館ではイギリスの関係者が函館に来たときに何をしたのか、そして現地日本人とどのような関係を持ったのかを資料として展示している。しかしそれほど中は広くないため、あまり時間をかけてみるところではないだろう。

他にも外国の建物を真似て洋館にした建物もたくさんある。まずは、旧函館区公会堂が一番目立つ。ここは札幌の豊平館に雰囲気が似ているところはあるが、まさしく当時の迎賓館だったというのがわかる。外部からの様子もそうだが、内装についても洋風そのままだ。圧巻なのはホールになっているところだろう。当時としてはダンスホールとしても使えたのだろうという大きさだ。なお、ここでは明治時代の貴族の格好をすることができるコスプレ場でもある。たくさんの女性がロングドレスの貸衣装を着て、写真をとっていた。男版の燕尾服はあるのか?と思ったら、それは無いらしい。

建物としては普通の公の建物だけではなく、外国人が来たということになると、どうしても教会が増えてくるのは当然だろう。山手には2つの代表的な教会が存在する。1つはハリストス正教会。もう1つは聖ヨハネ教会だ。ハリストス正教会は、入館料を払えば誰でも入ることが可能だ。残念ながらこのときには入ることはしなかった。なんとなく入る気が無かったからである。よって、内部がどうなっているのか分からない。聖ヨハネ教会の場合は、中に入ることが出来ない。しかし、どちらの教会も夜のライトアップは綺麗だ。

函館山からの夜景

函館の夜景は、香港の夜景と並び、絶対に欠かすことができない観光名所になっている。もちろん今回も漏れなく訪れることにした。夜景を堪能するためには、やはり夕暮れ以降に行くべきなのは当然だろう。そう思ったので、夕ご飯を済ませてから行くことにした。夕ご飯は別に記載する五島軒で食べることにして、夜景を見るためには乗らなければならないケーブルカー乗り場の近くで取るようにすることを目的にした。
ケーブルカー乗り場にいくためには、これがまた超坂道を上らないといけない。車でいくのであれば便利だろうが、歩くとその急さに大変苦労する。それでも夜景を見たい人はたくさん居るので、この坂道を歩いているのだろう。しかし、その坂道を上った頂上のところにケーブルカー乗り場がある。だいたい夜になると同じように夜景を見たいと思っている人たちが長い待ち行列を作っているので、さっさと切符売り場でケーブルカーのチケットを買って、列の後ろに並ぼう。ケーブルカーは15分おきに出発しているので、そんなに長い時間を待たずとものることは可能だ。

ケーブルカーに乗ったら、一番後ろに乗るのが一番良い。ケーブルカーが徐々に上っていくときに下界がだんだん小さくなっていき、そして函館のあの独特の形がだんだん分かってくるからである。もちろん頂上に到着したら、函館の夜景を見ることができるので、なにも急いで見なくてもいいとは思うのだが、徐々に景色が小さくなっていく風景が、頂上での感動をさらに盛り上げる前哨戦のように思えるではないか。ただ、この場所はかなりの競争になっているので、背が低い人は諦めたほうがいい。

さて、ケーブルカーを下りたら、さっさとわき目も降らずに階段をじゃんじゃん昇って行こう。途中でお土産屋とかレストランとかあるのだが、そんなのは後で見れば良い。それよりも早くあの夜景を見ることが先決だ。
やっぱり函館山からの夜景は最高だ。もう言葉は要らない。香港は単なるビル群の塊というだけのものだが、函館が良いと思われるのは、もちろんライトアップされている建物もそうだが、函館の輪郭がくっきりわかるのであるからだ。この形を元にいろいろな建物が夜景を助演しているといっていいほどである。もう溜息が出ちゃうとはこの景色をみたときの感想として一番適切だろう。

函館ロープウェイ http://www.334.co.jp/jp/
普通料金往復 1160円

五稜郭

新撰組ファンなら必ず行ってみたいと思うのが、最後の激戦地である五稜郭だろう。函館の代名詞にもなっているし、それまでの日本の城の形態とは異なり、いかにも西洋的と言われるつくりだからだろう。綺麗な五角形になっているつくりの拠点というのは、日本でも珍しいだろうし、海外でも珍しいつくりなんだと思う。実際にあの形を見るためには、お決まりだろうが「五稜郭タワー」に上ってみるのが一番良い。

さてその五稜郭だが、路面電車の五稜郭公園前駅で降りて歩いて15分くらいかかる。これは本当に不便である。大体の人がここも大型観光バスで行くことが多いためなのだろうが、個人的に観光をするためには歩くしかないので、不便この上ない。バスも、最寄のバス停がかなり離れているのでこれも不便なのだ。どうにかならないものかと思うのだが、それは仕方ないのだろう。函館では夏季期間になると、最寄の観光地を100円で廻ってくれるバスがあるので、それを利用するのもいいだろう。しかし、冬の期間は動いていないので、歩くかタクシーしかない。五稜郭に実際に行ってみると、これがまたあまりにも面白くない。なぜなら見るべきものがほとんどないのである。あるとすれば、石壁のところが武者返しになって侵入を防いでいるのが特徴ということと、実際の戦闘に使われた大砲が残っているだけである。だからここに行ってみて「なんだ、この少なさは?」と思ったほどである。やっぱり五稜郭は、中に入るよりタワーから見るほうがいいのだろうか。そう思い、今度はタワーに上ってみる。タワーは一気に高速エレベータで展望台のあるところまで昇る。そこからの景色は、そりゃぁもう昇ってみないと分からないが、絶景そのものである。五稜郭のあの五角形の景色が本当に綺麗にわかるというものだ。展望台には、五稜郭を巡っての戦いに関する解説が壁新聞のように展示されているので、景色に飽きたらそれを見るのもいいだろう。便乗商売というのも、ここまでくると、なんだか笑える。最初、大根?とおもってしまった。

五稜郭タワー http://www.goryokaku-tower.co.jp/

函館へ

登別から函館に向かう際には、もちろん電車を利用するのが良い。特急列車「北斗」に乗れば2時間程度で到着する。しかし、結構登別から函館へ向かう電車は実際に乗ってみると分かるが、途中で降りる人がほとんど居ない。従って、札幌方向から自由席特急券を買って函館に向かおうとした場合には、席がなくて、ずっと立ちっぱなしになる可能性がある。それだけ途中になにも観光地が無いからであるのも原因だろう。だから、この特急に乗る際には、500円をケチらないで是非指定席特急券を買うことをお勧めする。さらに、海側の窓側をできるだけ取るようにしたい。

海側の窓側を取ると何がいいかというと、函館方向では窓から海が見えるのはもちろんである。それよりも、途中大きく左にカーブをしているエリアがあるのだが、そのときに海の向こうに有珠山や昭和新山の景色が見えるからである。ちょうど春先だと、これらの山の山頂部分に雪が被っているために、幻想的な風景を見ることができる。残念ながら自分が乗ったときには、窓側を取ることができなかったために、窓越しには見えたが写真を取るほどのことはできなかった。

特急列車「北斗」は広さも申し分なく、清潔感もあって、乗っていて気持ちがいい。車内販売も普通の特急列車のようにあるのだが、これは利用しなかったので何を売っていたのか気にしなかった。

登別から乗る際には、時間を考えて駅に向かったほうが良い。そうじゃなければ、駅で随分待たされることになる。実際に今回も登別駅でかなり待った。駅前には時間を潰すほどの娯楽があるわけでもないので、本当に駅の椅子でぽかーんと待つしかないのである。それに、改札は田舎の駅ではあたりまえなのだが、発車する電車の数分前じゃないとプラットフォームに入ることができない。時間を持て余しているおじさんたちが駅の椅子にたくさん居たのを思い出す。あと、加えていうと、登別の駅には駅弁が無い。これだけ有名な駅なのだから駅弁くらいあればいいのにと思うが、駅のキオスクにも売られていない。食べ物としての特産物がここ登別には無いからというのが原因らしい。とは言っても、登別は港町でもあるので海産物でも使った料理があればいいと思うのだが、不思議だ。

JALシティ函館

函館は観光地として有名であるために、やはりそれなりに宿泊施設がかなり充実している。旅窓でホテルリストを見れば、その多さに吃驚するだろう。それであとはロケーションを加味してどこに泊まるのが良いかというのは迷う。実際に、函館でのんびりするのであれば、お勧めしたいのは、函館の温泉地である「湯の川」の温泉宿に泊まるのが良いだろうと思う。しかし、湯の川はどこに行くにも少し遠いというのが難点だ。函館は路面電車とバスが発達しているので、これらを使えば問題ないだろうと思いがちだが、湯の川の場合は、その路面電車の駅から遠いので、あまり函館でうろうろしたいというひとにはお勧めできない。本当にのんびりしたいひとだけそこで泊まればいい。

そう考えたときに、今回自分で選んだところは、主たる観光名所が身近にあって、自分がJALカードの会員だからということもあり、そんなにいいホテルではないとは分かっていてるが、JALシティホテル函館を選んだ。このホテル、目の前から函館空港へ向かうバスが出発するということもあるので、帰りのことを考えるととても便利だということも選択の1つである。空港から直接来れるときには便利この上ないが、函館駅へ電車できた場合においても、路面電車で宝来町まで来れば、そこから歩いて3分というところなので本当に便利である。登別のホテルでは部屋からLANアクセスが出来なかったが、ここではもちろん他のホテル同様無料のLANが使うことができるので、ビジネス客やネットオタクにとっては便利だろう。基本的にはビジネスホテルなので、シングル部屋になった場合にはそれほど広くない。ちょっと広く使いたいなというのであれば、是非ツイン部屋で予約したほうがいい。それと、なんといっても、このホテルはチェックアウトの時間が11時というのも便利だ。朝市に出かけるために、荷物を部屋に置いたままにしておき、そして帰ってきた、荷物とお土産を一緒にチェックアウトするくらいの余裕があるから便利である。それとチェックインの際にも、15時前でも入ることができるのは便利だ。今回、旅窓で予約したのは、正規値段だとかなり高いのに、ブロードバンドテレビ見放題+朝食付きというプランで予約して、全部で6000円。なんだか安すぎる気がする。だいたいブロードバンドテレビ見放題って何?と思ったのだが、これはいわゆるペイテレビのことだった。エロ系ばかりがペイテレビと思われがちだが、映画やドラマなども実はここでは選べられる。しかし、結果から言うと、こんなもの要らなかった。
部屋はセミダブルくらいの大きさのベッドがあるので、寝るには十分な大きさである。しかし2人が寝るには狭いような気がした。必要最低限度のアメニティは揃えてあるので、出張客としては便利だろう。しかし、温泉宿とは違うので、ユニットバスしか使えないのはなんだかのんびりできない気がした。

朝食は2階でバイキング形式で摂ることが可能だ。登別グランドホテルと比較すると大したことが無いのは重々承知だが、和を中心としたバイキングの種類もそこそこ揃えているので、外に食べに行かなくてもじつに便利だ。でも、せっかく函館に来たのだから、ホテルで朝ご飯というよりも、朝市に出かけて、どんぶり横町にいき、そこで鮭の親子丼でも食べたほうが本当は観光に来たという感じがするだろう。

予約するときには、エレベータから遠いところを予約することをお勧めする。そうすると、高い階に泊まれば、海が見えるので、是は感激する。函館の横幅はたった1kmしかないといわれているので、本当に両横が海なのだなというのが実感できる。

場所から言えば、主要観光名所から近いと述べたが、徒歩圏内で全部行くことができるのは便利である。夜景を見て、ライトアップされている各名所を歩いて帰るときには、すでに路面電車も走っていない時間であるし、タクシーを捕まえようにも流しのタクシーを拾えるほど車が走っていない。函館といえども田舎なのである。そうなると、交通機関がないところでは足が重要になるので、歩ける範囲が本当に重要だ。目の前にコンビニがあるので、ここでホテル内で利用する飲み物やお菓子を買っておくのも良いだろう。

ホテルJALシティ函館
〒040-0043 北海道函館市宝来町22-15
TEL 0138-24-2580 FAX 0138-27-2581
http://hakodate.jalcity.co.jp

地獄谷(登別)

クマ牧場を堪能したあとは、登別のもう1つのメインである地獄谷に行ってみた。地獄谷には、登別のメインストリートをじゃんじゃん上っていけば良いだけ。必然的に地獄谷のところに行くので、迷うことはまず無い。このメインストリートを歩いていくときに、どこにコンビニがあり、どこにレストランらしきものがあるかをチェックしておくと良い。登別グランドホテルに泊まっている分においては、これらの店は全く意味が為さないということは、登別グランドホテルの項目で書いたとおりだ。お土産もホテルの中で全部賄えるためでもある。
さて、そのメインストリートを登っていくと、だんだん空気が硫黄臭いなというのを感じる。なんといっても、地獄谷でもくもくと出ている煙の主成分は硫黄だからである。そして、観光客がだんだん多くなることも分かってくる。大方の観光客はここに来る際に、大型の観光バスで来るために、そのバスがわんさか目の前の駐車場に見えてくるからだ。とくにここ最近は台湾や香港からの観光客が多いために、今回行った時にたまたま見かけた観光客のほとんどが中国系のひとだったのは驚きだ。

ここ地獄谷は箱根の地獄谷と同じように無料でみることはできる。箱根のように乗り物を乗っていかないと見に行けないというわけではなく、本当に徒歩で目の前まで行くことができるのは、登別特有だろうと思う。観光パンフレットでは必ずといっていいほど使われている、看板とその後ろで煙があがっている光景を写真に収めたら、そのあとは地獄谷周辺を散策してみることをお勧めする。全部で2キロくらいの行程はあると思うのだが、ここを歩くと、地獄谷の植生を見ることができるので楽しい。もちろん、地獄谷にきたのだから、目の前の煙や硫黄で変色した土をみることは絶対したほうがいい。板でできた道で、中に入っていくと、終点のところに間欠泉があるのでここを見るのは絶対お勧めだ。定期的にここの間欠泉が勢い良く湧き出るところは見事だ。しかし、源泉の温度は80度もあるので、かぶると大やけどをするので注意が必要。

クマ牧場(登別)

登別グランドホテルから、徒歩で5分くらい坂道を上ると、クマ牧場に行くためのゴンドラ乗り場・・・ではなく、ゴンドラ乗場へ行くためのリフト乗場がある。もちろん、併走している道を歩いて上ることも可能であるが、結構この道が坂道になっているために、どうせならリフトに乗るというのも乙なものだ。スキー場ではないのに、リフトを乗るというのはなんだか不思議なのだが、やる気の無さそうなおっさんがいるブースで往復のリフト券300円を払うと、面倒くさそうにリフトへ乗せてくれる。この日は、雨は降っていないのだが、少し寒かったため、外の空気をそのまま触れるリフトはちょっと寒い。リフトを下りる時にも係員のおじさんは居らず、ブースの中でなにやら新聞でも読んでいるものだった。これ、スキー場だったら、危ないからと必ず係員がいるはずなのに、結構ルーズなものだと諦める。リフトはのんびりと1人乗りではあるが、それほど地上から高いところを走っているわけではないので、高所恐怖症の人でもたぶんあの程度の高さなら問題ないだろうと思う。

リフトを下りると、閑古鳥が鳴いているくらい広々とした駐車場に出てくる。ここはゴンドラ乗場の入り口になっているところだ。たぶん、団体客などのバスが泊まるように出来ているのだと思う。しかし、その乗り場のお土産屋といえども、ほとんど客が居ないのがちょっと気になる。
もしかして目的地のクマ牧場は閉鎖しているのか?と勘ぐってしまう。しかしゴンドラ乗り場にいくと、ちゃんと運営しているということは書いている。ちなみに、ゴンドラ乗り場で買うゴンドラチケットは、クマ牧場の入場券も兼ねている。というのも、クマ牧場へは車では行くことが出来ず、かならず入場客はこのゴンドラを使わないといけないのである。従って、入場券を兼用したチケットを売ることで問題ないのだ。それにしても、このゴンドラ、スキー場のゴンドラと同じシステムになっているので、スキー場に馴れている人は、スキーやスノボを履いていないことがとても違和感を感じるかもしれないが、ちゃんと整備しているゴンドラなので安心して乗れる。そして、山頂にあるクマ牧場のある場所まで、だいたい5分くらいなのだが、その景色が絶景なので是非堪能して欲しい。登別の街がだんだん小さくなっていき、それも狭い範囲でぐちゃぐちゃーと建物が立っているのを、遠目で見ていると、なんと人間はちっぽけなところで生活しているんだろうと感慨深くなる。ゴンドラもほとんど待つことなく、自分専用のブースとして乗り込むことは、なんとなく優越感のような気がする。スキー場では、さすがにこんな贅沢な乗り方は出来ない。ゴンドラを降りると、そこはすぐにクマ牧場だ。思ったよりもクマ牧場というのは小さい。動物園くらいの大きさのところに、クマがわんさか飼われているものかと勝手に想像していたのだが、実際にはそうでもない。だけど、クマをこれだけたくさん同時に今までは見ることが無かったので、やっぱり来ただけの甲斐はあったとおもう。子供のクマばかりが集まっているブースと大人の大きなクマがいるブースと、大きく2つに分かれている。どちらも、クマと同じ目線で見るという、普通の動物園のような見かたではなく、上から覗き込むようにクマを見るという方式である。安全面を考えれば、これが一番安全な見かたなのだと思うが、ちょっとクマとの間が遠く感じる。それでも、クマのほうももう慣れっこのようで、餌をくれる人間に対して、上を向いて「えさ、頂戴」という仕草をするのは可愛い。それも、誰が教えたのか知らないが、「餌をこっちにくださーい」と、まるで大勢居る場所で店員を呼ぶように、クマも自己アピールする姿は愛らしい。

小さいクマのいるほうがたくさん居るので、是非そこでのんびりとクマを眺めるのが良いと思う。大きなクマのほうは、なんとなく怖い。もちろん人間との距離はとても離れているので、直接襲われるということはまず無いのだが、それでも遠いのにその大きさに圧倒感を感じる。しかし、屋外でこれだけでのクマを見れるのは絶対ここだけだと思う。餌もクマブースのすぐ傍で100円で売られているので、是非買ってみて、それをクマにあげて欲しい。

他に見せ物としては、アヒルのレースというのが見られる。一人200円の掛け金をかけると、馬券ならぬ「アヒル券」が買えて、買ったアヒル券を持っている人はあとで商品をくれるというもの。このアヒルのレースは、本当に一瞬のうちに終わってしまうので、瞬きしていると終わってしまうものだ。そして、このレースに使われるアヒル、飼育係りのおじさんにとても懐いているため、おじさんの言う事はなんでも聞く。例えば、観光客がアヒルの写真を撮りたいな-と思っているところ、アヒルは止まってくれないのでイライラしていると「こらっ、アヒルたち!お客さんのために止まりなさい」というと、本当に微動だにせず止まる。鳥のくせに、そんな芸達者なのにはまいった。

その他、クマ牧場の名前のとおり、クマに関するあらゆる情報を展示している博物館が並列で並んでいる。こちらは見るのは無料。ただ、クマの生態に本当に興味が無いひとは、それを見てもちっとも面白くないと思う。クマといっても、ここに居るのはツキノワグマなのだが、他のクマの種類についても結構詳しく書かれているので、興味がある人はここを覗くといい。できれば、ここの解説をしている内容を本にして欲しかったと思う。それがあれば絶対買いたかったのだが、そこまでの予算を持ち合わせていないのか、無いのだ。これは残念。

そして、「アイヌコタン」と呼ばれるアイヌ民族の昔の家をそのまま展示しているところが一番端にある。北海道といえば、やはりアイヌとは切っても切れない関係になっているのは常識だが、でも冬の間にここに来てしまったので、展示しているアイヌの家の中は見られないし、道は泥道でぐちゃぐちゃだったし、なんだかお粗末な気がした。

そういえば、レストランの屋上から見るクッタラ湖の様子は、なんとも神秘的な気がした。というのも、冬だからなのだろうが、湖一面が凍っていて、スケート靴でも持っていたらそこを滑ってみたいと思ったほどだ。夏になると、周りの緑が湖に映えてとても綺麗な湖なのだろうなということが想像できる。

長居しても3時間も居れば十分すぎるほどのこのクマ牧場だが、いやはや、やっぱりここに来て本当に良かったと思う。帰りはゴンドラとリフトを使って下界に下りた。

のぼりべつ クマ牧場 http://www.bearpark.jp
営業時間 4/21~5/31 7:30am - 18:00
6/1~8/31 7:30am - 18:30
9/1~10/20 7:30am - 18:00
10/21- 4/20 8:30am - 16:30
入園券 2,520円(ロープウェイ運賃含む)

登別グランドホテル

千歳空港から南千歳で乗り換えて、登別までは特急列車で実は1時間も乗らない。とても近いのである。もっと遠いものかと思っていたのだが、これくらい近いのであれば、お金があるのであれば、泊まるところを登別にするのが本当に良いと思う。今回、登別で泊まるところで選んだホテルは「登別グランドホテル」である。結果から言うと、このホテルを選んで本当に良かった、最高だったと思った。

登別グランドホテルに行くには、自動車で行かない場合、路線バスを使うのが一番いい。登別駅から出ている路線バスで乗ること、だいたい15分。登別温泉ターミナルまで乗れば良いだけ。ホテルはそのバスターミナルから歩いて1分以内のところにある。バスの本数もかなり多いので、事前にあまりバスの時間を気にする必要は無いと思う。バスターミナルを降りて、橋を渡れば目の前が目的のホテルである。

このホテル、先見の明があったホテルの創業者が、なんと明治時代にこのド田舎の登別に初めてホテルを作った人のホテルである。ホテルの中に、それを記念するべき展示品が飾っているので是非ご覧になるといい。昭和天皇もかつてここに泊まったことがある由緒正しいホテルなのである。それも綺麗だし、広いし、サービス最高だし、文句をつけるところが無いのは、その登別で一流であることを保つための気品を保っているからなのだと思う。

今回はツイン部屋の1人利用で、かつ、夕ご飯と翌日の朝ご飯付きのパターンを予約した。それでも値段としては16000円程度だったので、まぁまぁホテルの規模とサービスの割りにはお手ごろかなという気がした。シングル部屋だと少し狭いだろうと思われるが、ツイン部屋にしたので、本当に広々と使うことが出来た。今回はノートPCを持っていくことは無かったのだが、持っていってもこの部屋からはネットが使えないので、ネットオタクの人がここに泊まった場合には、ネットに繋げられないのでつまらないだろうと思う。

登別では外では特にまともにご飯が食べられるところが無い。本当に無い。昼ご飯程度であれば簡単な料理(ラーメンとか)ならあるから、それで満足できる人はそれでも良いだろう。だけど、それでは夕ご飯とはいえないだろう。だから、どこのホテルに泊まろうともできるだけホテルでご飯を食べたほうがいい。そう言った意味では、今回ホテルのご飯が付いているコースにしたのは本当に正解だった。ここの夕ご飯は、コースの場合はバイキングで食べられる。もちろん、バイキングではなく、コースにしなかった場合には、ホテル内にちゃんとした料理屋があるので、それを利用しても良いだろう。

ホテル内の大浴場はとても広く、真ん中にローマ風呂のような噴水があったりする。たぶん50人くらい入っても全然問題ないくらいの広さだ。登別温泉は世界的にも珍しく、成分が11種類もある温泉なので、湯船によってその温泉の特徴を生かした成分のお湯が楽しめる。硫黄泉、鉄泉、塩泉、冷泉などなど。硫黄泉が一番匂いに独特感があるので、いかにも温泉という気がするのだが、それでもそれぞれの温泉成分に浸っているだけで、なんだか癒される感じがするから不思議だ。のんびりするためにやってきて、心行くまで温泉に浸かれるというのは本当に温泉地を選んでよかったといえるだろう。もちろん、露天風呂もあるし、サウナもあるので、温泉ばかりいるだけでも十分楽しめるはずだ。

夕ご飯も朝ご飯もバイキング形式なのであるが、これが種類があまりにも豊富でびっくりするほどだ。シンガポールのリッツカールトン並みに種類が豊富。和洋折衷なんでもありなので、食べたいものがなんでもある。特に北海道なので、北海道特産の海産物については新鮮さがあってよい。以前、知床に泊まったときにもバイキングだったが、知床だからこそ海産物が美味いとおもったのに、とても不味くてガッカリした覚えがある。しかし、ここではそんな悪い期待は無いので心配ご無用。特にこのときには、帆立貝丸々1個をバターで焼いたものを、調理人がその場で焼いてくれるというのがあって、これは美味かった。あれもこれも美味い美味いと思って食べていると、自分の胃袋の限界を忘れて食べてしまうので、あとで後悔をしてしまう。1つだけ難点を言うとすれば、ここのコーヒーは、無農薬だとかなんとか薀蓄が書かれていたが、はっきり言って「不味い」。唯一不味いのがコーヒーというのも考えものだ。デザートもスイーツから果物やらアイスやら、いろいろと選べられるので、子供でも外人でも誰でもニーズにこたえるようなものを用意しているところが、さすが一流ホテルだ。そういえば、北海道に行ったら絶対買いたいと思っていた「じゃがぽっくる」だが、このホテルでは売店に売られていた。北海道では、どこのコンビにでもじゃがぽっくるは、普通に売っているものかと思っていたのだが、そうでもないということをこのとき初めて知る。たまたまご飯を食べた後に、売店を覗いていたら、後からきたおばちゃん連中が先にじゃがぽっくるを見つけていて「あぁ、じゃがぽっくりだ!今買わないと絶対あとで無くなるから、○○さん(たぶん友達の人)に連絡してあげて」という会話が聞こえてきたからだ。同じように個数限定で売られていたので、すぐに部屋に戻って財布を取りに帰り、さっそく2箱買った。あまりたくさん買ってもカバンに入らないので、無理。
ホテルには必要なものは全部揃っているので、カバンに余計な荷物を入れて持っていかなくても、このホテルに泊まる分には問題ない。ただ、化粧品やら自分独自のシャンプーリンス類を持っていきたいというのであれば、それは持参するべきだと思う。あと、大浴場が充実しているのに、部屋にもユニットバスがついているのは、なぜだか未だに意味がわからない。大浴場を使えないような人のためにあるのだろうか?それなら個室風呂もあるので、それを使ったほうが良いのではないかと思う。

ホテルマンの応対も申し分ないし、ご飯も美味いし、部屋も良いし、お風呂も良いし、また登別に来るときには絶対ここに泊まりたいと思う。

登別温泉 登別グランドホテル〒059-0592 北海道 登別市 登別温泉町154番地宿泊予約直通電話 0143-84-2425E-Mail info@nobogura.co.jp

春先の北海道へ

春前の飛び石連休のときに、本来なら台湾に行きたかったのだが、こういう短期間の場合には、やはり短距離にいくひとが多いと見えて、早い段階から台湾行きの飛行機が全く空きなしの状態だった。しかしどこかにいってみたいという衝動的な気持ちはあったし、さらに、5月末まで使えるANAの株主優待券をこのままだと使わずじまいになってしまい、また、チケット屋の大黒屋で2000円程度で買われるというのだけはつまらない。5000円以上で他人に売るか、自分でこれを使ってしまうかということになる。株主優待券を使うとすると、出来るだけ、距離が遠く値段が高いほうがお得感があるので、そういう場所を選んでみた。といっても、2月に札幌に行ったばっかりだったので、今度は南のほうに行ってみたいともおもっていた。しかし、これといって、行ってみたいと思うところがない。前からちょっと気になっていたところがあったので、それを選んでみた。それが今回の函館・登別である。

登別は温泉地としてもとても有名な場所であるし、それ以外にもクマ牧場があるところでも実は有名だ。最近では香港人・台湾人の団体観光客が多く来ており、それらの観光客が札幌に泊まらず登別に泊まっていると言う話もよく聞いていた。それだけ登別の温泉の室はよく、また観光地らしい観光地としてもってこいのところらしい。函館のほうは、香港と並ぶ夜景が綺麗なところとしても有名なところであるが、鎖国後の日本で開港した場所の1つであるために、開港直後の洋館がたくさん有る場所としても有名であるし、最近は函館の朝市がなぜか有名になってしまい、それを目当てに訪れるという人も多いらしい。あとは、函館といえば、五稜郭であり、新撰組ファンのひとたちは必ずといっていいほどここを聖地のようにみなして訪れていることだろう。北の大地にはまだまだ見るべき場所がたくさんあるので、まだ北海道は寒いとは分かっていたのだが、この際だから1人だけども行ってみようと強行してみた。

航空券は「行こう」と決めたのが1週間前だったということもあり、席数も少なかったのだが、幸運にも好きな時間帯の航空券を行きも帰りも取ることができた。しかし、2、3日前になったら、これらの航空券も空席なしの状態になっており、ちょっと早めに予約しておいて良かったと思った。今回の飛行機は、行きは札幌まで、帰りは函館から帰ることにした。登別というのが札幌と函館とどちらが近いのかとJRの時刻表で調べてみたところ、実は断然千歳空港に近いことがわかったので、行きは札幌にしてみたのだ。これはなかなか後で考えると成功だったのではないかと思う。

のんびりと10時くらいの飛行機で札幌に行こうと取ったのは良いが、行きの空港までのバスでいきなりハプニング発生。ハプニングといえども、そんな大した事ではないのだが、乗客の1人がなんと財布を忘れたらしく、バスの乗車券は前もって買っていたが、それ以外の金を持ち合わせていなかったらしく、家にいた嫁に電話を掛けて「財布持ってきてくれ」と電話している。おいおい、あと3分で出発だというのに、嫁なんかくるのか?!それより、降りて次のバスにのれよー、馬鹿!とおもいつつも、他の乗客はこの馬鹿乗客のために大人しく待っている。これはラテンの国や中国だったら、絶対に暴動を起こっているか、ボコボコにこの乗客を殴っていたことだろう。バスは予定より10分遅れて結局のところ出発できたし、空港までなんの問題もなく到着した。これが、もし何かしら高速道路で事故があったりして遅れた場合、絶対この馬鹿乗客のことを乗っていたほかの客全員が呪っていたことだろう。

しかし休みの時には、やはり空港はたくさん人がいるので、この混雑振りを見ると、まだまだみんな経済的には余裕があるんだなーと感心する。遊べるということは良いことだと思う。